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ArchiCADでカレ邸を作ろう 15 玄関廻りのディテールアップ

ArchiCADでカレ邸を作ろう企画、15回目です。

今回は、玄関廻りをもう少しディテールアップしていきましょう。
まず、下の画像の真ん中あたりになります、庇コーナー部分の独立柱を作成します。

アアルトのマイレア邸などでもそうですが、彼は独立柱を特徴的にデザインして見せることが多いです。
今回のカレ邸の独立柱も、ただの単純な柱ではなく、多分に装飾的要素が含まれた印象的なデザインとなっています。
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まずは平面ビューで単純な丸柱を入力します。
下図を見ながら、目地の中心にだいたい合わせます。

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平面図ビューでの作業が終わって、3Dビューで見たところ。
高さは3Dビューで少し調整しました。
柱サイズの正確な情報は無いのですが、写真から見て135Φとしました。
下の図では柱の材質は鉄になっていますが、これは後程軒樋と同じ材質に変更します。

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スチール製(おそらく?)の周りに木製の装飾要素が付いています。これは何と言ったらいいのでしょうか。羽根のような?
柱の断面形状を使ってもいいのですが、ひとまずお手軽に、自由形状断面の壁を使って、平面ビュー上で形を描画します。

下の図では、幅(図では縦方向)50mm、アール部分を含まない長さ75mmとして作成しました。アール部分は当然25Rです。

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材質を木材として、3Dビューで適宜長さを調整。このへんは資料も無いので、写真を見ながら適宜の長さということになります。
おおむね、天井からの空き100mm、床からの高さ300~400mmといったところでしょうか。

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上の図の状態では、壁ツールを使ったので当然、上から下まで真っすぐです。
しかし実際には上から下に向かってテーパーが付いており、下端ではかなり出幅が小さくなっています。

これを入力するために、さきほど作成した自由形状の壁を、モルフに変換します。
壁のままでは立面方向で回転させたりすることは出来ませんが、モルフにするとそのあたりは自由です。

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モルフに変換した後、下の図のように立面ビュー上で回転させます。
上端の柱に接する点を中心として(図で分度器のようなマークが出ているところです)、向かって左方向に1.73度回転させました。

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上の作業が終わった状態で、3Dビューで見たところ。
微妙なテーパーがそれなりに再現できましたかね。

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上で調整し終わった木製装飾部材を、十字状になるようにあと3つ作成します。
最初に作成したものを連続回転コピーで複製しましょう。
下の画像のように、操作は「回転」、コピー数は3、複製パターンは「分配」を選択します。

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柱の中心を原点として、装飾部材の先端を270度回転させると、この270度の角度を3分割(分配)する形で複製形状が作成されます。

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このように木製装飾が完成しました。この装飾と円柱をグループ化して、この柱廻りの作業は終了です。
この柱はリビングから庭に出た軒先部分にも使用されていますので、そちらにもコピーしておきます。

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エントランス廻りのディテールアップということで、トイレの前にあります竪樋も作成しておきましょう。
この竪樋は隠すのではなく、あえて意匠要素として見せるデザインが成されています。
まずは竪樋を支える柱というか胴縁というか、木製のルーバー状部材を作成します。
これはその後ろのクローク格子窓と同じく、カーテンウォールツールを使っています。
ルーバーサイズは50×100mmで、ピッチは150です。これも資料に基づいたのではなく、写真などから適宜判断したサイズです。
下の図では無目というか、横部材が高さを3分割する位置になっていますが、実際にはこれは後で変更します。

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ルーバーの前に、竪樋を置きました。
これは柱ツールを使用しています。実際には柱ではないですが、このへんは臨機応変に適宜のツールを使用して構いません。竪樋の径は75mmとしています。

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竪樋と軒樋の接続部を拡大して見たところ。
竪樋は軒樋の下端部分に接続し、支えのルーバーは後ろの軒天に取り付いています。
実際にはこのルーバーから竪樋の間に、デンデン(竪樋の取り付け金物)がありますが、現状ではひとまず省略しています。
最終的に全体をディテールアップする際に、入力するかも知れません。

今回はパースなどでのイメージ優先である程度細かく入れていますが、実務で使うBIMモデルでは、施工モデルやデジタルモックアップでも無い限り、デンデンのような細かい部材は入れないことが多いです。

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竪樋の入力が終わった段階で、エントランス廻り全体をレンダリングしてみました。
エントランス廻りの要素入力は、これでほぼ終わりですね。
後は玄関前の照明器具などを、最後のディテールアップの際に入力する予定です。

前の記事でも書きましたが、実際にはこの面はほぼ北面ですので、こんなに直射日光が燦々と照ることは無いはずです。

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あと、今回は初めてCineRenderのオプションである「芝生」というのを試してみました。
これはモデリングせずにテクスチャの設定で芝生を再現するというもので、上の画像ではエントランス横の池周辺に使用しています。

設定が結構難しく、それほどリアルなものでもないですが、小さい部分に少し使うにはいいですね。
ちなみに周囲の庭も含めてグリーン面全体にこの芝生を適用もしてみましたが、なぜかレンダリングには反映されませんでした。
処理のメモリ容量をオーバーすると、自動的にオフになってしまうなどの上限があるのでしょうか。

 

今回はここまで。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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