フランスにあるアルヴァ・アアルト後年の佳作、ルイ・カレ邸をArchiCADで作成します。
フィンランドが生んだモダニズム建築の世界的巨匠、アルヴァ・アアルト。彼の肖像がユーロ導入前のフィンランドの紙幣に描かれていたように、国家の英雄の一人とも見なされる建築家です。
カレ邸はアアルト作品としては唯一、フランス国内に存在する住宅です。施主はアート・ディーラーのルイ・カレ氏。レジェやマティスなど、フランスを中心とした近代絵画の名作を多く所有したコレクターでもありました。
そんなカレ氏が、子息が独立した後の夫妻での優雅な暮らしを楽しむ目的でアアルトに依頼したのが、今回取り上げるカレ邸です。
著名な絵画コレクターで交友も広い人で、この家は絵画ギャラリー兼、友人知人との社交場としても使われたようです。
アアルトの住宅と言えば彼の母国フィンランドにあるマイレア邸が有名で、こちらには私も訪問したことがあります。隅々までデザインの行き届いた、まさに住みたくなる家でした。
カレ邸のほうはまだ訪れていませんが、憧れの住宅であり、生きているうちにはいつか訪問したいものです。
訪問はまだ先になりそうですが、今回はArchiCADでこのカレ邸を作り、バーチャルで体験してみましょう。
もちろんBIMとしての作成ですから、図面化にも挑戦してみます。
参考に出来る図面は少ないですが、UrbipediaというサイトのMaison Louis Carréのページに平面図、立面図、断面図、配置図の一般図が一通り揃っていますので、こちらを参考にします。
またその他には、参考になりそうな近景、遠景、ディテールの写真を載せたサイトはたくさん有ります。こちらのサイトやこちらのサイトなど、また日本語でもこちらのブログなどが参考になりそうです。またflickrでもMaison Louis Carréで検索してみると、かなり多くの写真がヒットします。
その他には、建築家・写真家の齋藤裕氏の著になる「10 Selected Houses|アールトの住宅」という書籍も貴重です。こちらの本には齋藤氏の手になる豊富な写真のほかに、アアルトによるカレ邸のスケッチや、詳細な寸法を記した平面詳細図、天井伏図、展開図などが載っています。(もちろん図面全部が網羅されてはおらず、一部ですが。)
トップの写真は、この本からお借りした写真です。
以上、長丁場の記事になりそうですが、どうか最後まで御付き合いいただければ幸いです。