ArchiCADでカレ邸を作ろう企画の13回目です。
今まで建物の形状を作成してきましたが、テクスチャ(材質)は仮のままでした。
今回はいよいよ、代表的なテクスチャーを作成して割り当ててゆきたいと思います。テクスチャを割り当てると、シンプルなモデルでもぐっとリアル感が増して本物らしくなります。
まずは、エントランスの重厚なドアに使われている、木材のテクスチャーから。
下記のような画像を作成しました。元画像を加工して、連続して並べた際に継ぎ目が目立たないように調整しています。画像自体はArchiCADではなく、別の画像編集ソフトで作成します。
この木目画像はエントランスドアだけでなく、建物のドア全般に使用することになると思います。
壁面のホワイトとの対比を構成する、大切な要素です。
この木目画像を含めて、これから作成するテクスチャ画像は全て、「texture」というこのプロジェクト専用のフォルダに格納します。フォルダの場所は任意でもいいです。
画像を作成したら、ArchiCAD側のライブラリマネージャーを開いて、「追加 > リンクライブラリ」を選択します。
「フォルダまたはファイルにリンク」という窓が開きますので、先ほどのテクスチャー画像がある「texture」フォルダのパスを開いて、フォルダを「選択」します。
テクスチャ画像自体を選択するのではないことに注意してください。
もちろんテクスチャ画像を直接リンクすることも可能なのですが、「texture」フォルダをライブラリフォルダとして管理したほうが、後々楽になります。
もちろん使用するライブラリがテクスチャ画像以外(オブジェクトなど)にもある場合は、「library」フォルダを作成してその中に「texture」フォルダを格納すれば、全体でひとまとまりのライブラリとして読み込むことができます。
ライブラリフォルダをリンクしたら、属性のテクスチャー(材質)の作成です。まずは適当な木目系材質をコピーします。コピーした材質に適宜の名前をつけます。ここでは「MC_木材-ドア木目縦」という名前をつけました。
最初にMC_をつけているのは、このプロジェクト用に作成した材質が、一覧の中でまとまって表示されるようにするためです。
材質設定の一番下にある「テクスチャ」項目から、画像の割り当てを行います。
左下に大きな画像が表示されている部分がありますので、その下にある「検索」というボタンを押すと、さきほどライブラリとして登録した画像を選択することができます。
冒頭で紹介した画像「wood01」を選択しています。
このように木目画像が読み込まれました。
上記の状態では無理やり1000m四方の正方形になっていましたので、材質画像を作成するときに設定した正しいサイズを入力します。下記では1080×1382.4です。
「元の比率を維持」にチェックを入れると、元画像の比率が保たれるので設定が楽です。
もうひとつ、材質には複数のレンダリングエンジン用の設定があります。
普段作業中に表示するのはインターナルかOpenGL、レンダリング時に使われるのがCineRender by MAXONです。
先ほど設定したのはインターナルでしたので、CineRender用の設定も続けて行います。
カラーの項目を画像にし、インターナルで選択したものと同じ画像を読み込みます。
スケールもインターナルで設定したものと同様に入力します。
その他にも細々とした設定項目がありますが、今回は割愛します。
いずれにしても、これでドア用の木目材質ができました。
これをドアに割り当ててゆきます。
ArchiCADの建具ツールを使っていれば、材質の割り当ては簡単です。
下図のように、「ドア材質」という項目で、「枠」と「ドア」に今回の材質を割り当てます。
他にも項目名をよく見て、必要と思われる項目には割り当てを行います。
枠のほうは実際には、今回の目地入りの木目材質ではないほうが良いのですが、これは後ほど調整するとして今はとりあえず同じ材質にしています。
上記の設定を終えた状態で、3Dで見たところ。
親子扉に木目が割り当てられました。
その他にも、大きなところの材質をいくつか作成しました。
下は外壁の大半を占める、漆喰塗りレンガ壁。これに対応するバンプマッピング(凹凸)用のモノクロ画像も作成しています。
これは腰壁部分に使われる、フランス産ライムストーンの馬目地貼り。
これは、軒樋部分のブロンズ材質です。
上に挙げたもの以外にもいくつか材質を割り当てた状態で、エントランスを見たところ。
材質を割り当てる前と比べると、ずいぶんとそれらしくなりました。
エントランス横の食堂の窓も入力し、全体の腰壁を延ばしています。
また、玄関扉は建具の設定で30度開けた状態にしています。
上記の材質設定が終わった状態で、エントランス周りをレンダリングしてみたところ。
まだまだディテールアップが必要ではありますが、それらしい表情になってきました。
本日はここまで。
最後まで御読みいただき、ありがとうございました。